シルクロード・ウズベキスタン
「青の都」サマルカンド

2002年8月3日

中央アジア唯一の地下鉄
 タシケント2日目。7時半にはホテルのレストランで朝食をとる。カフェテリア風のレストラン。7時半だったのに一番客だったみたいだ。チェックアウトが12時で一旦ホテルに戻らなくてはならなく、8時過ぎには出発をする。
 午前中のメインはチョルスーバザールとその周辺にあるメドレセ見学。乗り間違える可能性が少ない地下鉄で移動することにした。ブミホテルから最寄りの駅はアミール・ティムール・ヒヨボニ駅、ウズベキスタンホテル前に入り口があって歩いて5分ぐらいである。路線は2路線しかないので間違えるようなことはない。ただ、駅名はすべてロシア語表示なのでそこだけ注意です。地下入り口は日本の地下鉄とそう代わりはないです。地下入り口を入り、流れに沿って進むと改札口にたどり着きます。まず窓口でジェトンという専用コインを80スムで購入します。どこまで乗っても1回80スムです。そのコインを自動改札機に投入して改札をくぐります。プラットホームは少し暗めですが広く、天井も高く窮屈さを感じさせません。天井の壁には壁画やデザインが施されちょっとゴージャスです。どこかに雰囲気が似ているるなあっと思っていたら、北朝鮮の地下鉄の駅に感じが同じでした。地下鉄内で写真を撮るとフィルムを取り上げられると書いてあったので、残念ですが写真はありません。方向を間違えないように近くの人に聞いてから乗車です。運転間隔は5〜6分に1本と言ったところでしょうか。目的のチョルスー駅に行くためには途中パフタコール駅で乗り換えです。これも人の流れに沿って行けば自然に乗り換えがきます。ただ、同じ駅名ように感じますが、路線が違うのでナヴィオ駅になるみたいです。駅の造りとは対称的に電車は普通です。アミール・ティムール・ヒヨボニ駅から乗り換えも含め、チョルスー駅まで20分程で到着です。 電車を降りると均一料金なので改札はもうありません。そのまま階段を上がるともうそこはチョルスーバザールです。

地下鉄入口/アミール・ティムール・ヒョボニ駅 地下鉄路線図・3路線目は工事中?


クカルダシュ・メドレセ
 もう8時30分だというのに、広いバザール内はまだ閑散としていた。ウズベクの人たちの朝は遅いようです。先にメドレセ見学に向かいます。クカルダシュ・メドレセはバザールのちょうど南側にあります。16世紀に建てられた神学校で現在も使われている。建物の前には多くの学生の姿があった。試験の結果発表でもあったのか、みんな入り口付近で張り紙を見ていた。 中に入れる雰囲気もなかったのでザルカナイル通りに向かう。

クカルダシュ・メドレセ
16世紀に建てられた神学校
チョルスーバザール前
現役のロシア製バス


ザルカナイルストリート
 が、これまたどこが通りの入り口かわからない。聞いて聞いて聞いてやっと見つかった。(「歩き方」の地図はもっと詳しく)
クカルダシュ・メドレセとは正反対の北側の細い通りがザルカナイルストリート。旧市街の住宅街とあって雰囲気は十分です。白く大きな住宅の塀が続き住宅内の様子はあまりうかがうことはでいない。人通りも少なく家の軒先では小学生の子どもたちがお菓子を並べて売っている。子どもたちに声をかけ、何枚か写真を撮らせてもらった。写真はいやがるどころか、逆に撮ってくれとアピールする子も。写すときは撮られ慣れているのか、すぐに並んで写真のポーズを撮ってくれる。
 くねくねしながら10分ほど歩くと小さなローターリーがあるハスティ・イマーム広場に到着。観光客の姿はほとんどないが、見どころは3つかたまって建っている。

ザルカナイルストリート
旧市街・迷路のようでひっそりしている
バラク・ハーン・メドレセ
こちらも16世紀に建てられた神学校
ジュマ・モスク
世界最古のコーランのコピーがあるそうだが、
管理人がいなくてみれなかった
カファリ・シャーン廊
10世紀の聖人の廊。建築は1541年

帰り道、地元の男性が声をかけてきた。英語も少し話せるらしい。ガイドブック(歩き方)を見ては、自分の出身地のことやいろいろ話を聞かせてもらった。
チョルスーバザール
 チョルスーバザールに戻ると、朝の静けさはどこへやら。これでもかと言うぐらいの店!店!店!人!人!人よくもまあ数時間の間にこれだけの人と物が集まったもんだ。地元では毎日の普通の生活なんだろうが、これはすごい!どこが地下鉄の入り口だったのか、簡単には見つかりそうもなさそう。売っているものも様々で、生活用品は何でも揃いそう。食堂街ではナンや羊の肉を焼くいいにおいが漂っている。すぐ横にあるバスターミナルにも所狭しとバスが並び、こちらも出発する人到着した人で大にぎわい。ゆっくり見たかったですが、あまりの暑さと時間も気になり、地下鉄の入り口を探しホテルに戻ることに。

チョルスーバザール
季節とあってスイカが目立つ
通路が狭く身動きがとれないところも


日本大使館(注;図書室はティムール通りにある交流センターに移転しています)
 ホテルは12時がチェックアウト。荷物を出発まで預かってもらうことにした。シャワーを浴び着替えを済まし、レストランで軽食程度のランチを取る。2時間半程休んだ後、近くにある日本大使館に向かった。ホテルからは歩いて10分程度。何回か旅行しているが、大使館訪問は初めて。大通りからすぐのところに大使館はあった。最近新築したようで、予想に反してクリーム色の壁に赤い屋根、ペンション風の造りにちょっとビックリ。入り口の前にはウズベク警察の詰め所があり厳重?な警備。言葉はわからないが「入ってけ!入ってけ!」とジェスチャーをしている。すると中から大使館の警備員らしき人がでてきた。「今日は土曜日だからクローズだ」と一言。「やっぱり土日は大使館も休みか」っと思いながら写真だけ撮って引き返す。

日本大使館
ティムール広場から15分ぐらいのところ
ウズベキスタンホテル
窓枠が特徴的です。名古屋にあった都ホテルに感じが似てます



トラム初乗車
 最終日にタシケントで半日過ごせるからと思い、次はトラムに乗ってシャラフ・ラシドフ通りにあるツム百貨店に行くことにした。大使館近くの乗り場から13番トラムに乗れば終点がツム百貨店のはずだった!
 トラム初乗車。空いている席もなく結構込んでいる。エアコンもなく、全開の窓から何とか涼しい風が吹き込んでくる。ただし走っているときだけ。しばらくすると車掌らしい女性が料金を集めに来た。地下鉄同様均一料金80スム。お金を払うと、乗車券のような小さなチケットをくれる。しばらく進むが、どうも方向が変だ!街の中心部をかすめ、どんどん南の方向に進んでいく。南には鉄道のタシケント駅や空港がある。当たりであった。しばらくすると線路が見え、タシケント駅前を通り過ぎた。「仕方ない、終点まで行ってやるか」っと思ったら、駅のはずれで終点となった。さあ、どうしようかと思いながら、「歩き方」に鉄道博物館がこのあたりにあると書いてあったので、そちらに向かうことにした。

トラム車内
80スム均一料金・車内の車掌に払います
こちらはトロリーバス
火花を上げながら走っていました


鉄道技術博物館
 タシケント駅向かって左手の方に野外博物館はあった。入り口には噴水に機関車の展示があり、年輩の女性がチケット売りをしている。料金は100スム。チケットは鉄道博物館らしく切符になっている。こんな暑い炎天下のなか、しかも野外展示なのに見学者がいるのかと思い入ってみると、一応3人見学者はいました。帰りがけにも3人ほど入場してきました。ミニチュア博物館程度を予想していたのですが、何のことはない狭い敷地に60数両の蒸気機関車、電気機関車とすごい展示です。あまりに多いので途中で引き返してきました。入り口に近い客車は展示室になっていて、鉄道用品などが展示してありました。管理人の年輩男性がいて、やはり昔機関車を運転していたそうです。展示車両の横にも1両機関車が展示してあり、ここでも年輩の男性が機関車の手入れをしていました。やはり彼も昔機関車を運転していたそうです。「機関車と一緒に写真を撮らせて欲しい」と頼むと、「こんな格好だから」と断られてしまいました。

鉄道技術博物館
60両近く展示してある。入場料100スム
車両を改造した展示室もある
管理人はもと運転手


ツム百貨店
 鉄道技術博物館の後、今度はバスにでも乗って中心部にでも戻ろうかと思いましたが、またどこへ行ってしまうかわからないので、地下鉄で戻ることにしました。最初行こうと思っていたツム百貨店。3階建ての市内いでも新しい方の建物。百貨店といっても日本のデパートや百貨店をイメージしないでください。売っているものは日用品から電化製品、土産物など食料品以外は大抵なものは売っています。ただ、品揃えは少ないですし。乾電池からノート、石けんシャンプーまで、すべてショーウインドウに入れられて販売されています。万引きの被害は絶対ないでしょう!子供用の三輪車もありましたが、さすがにこれはフロアーにおいてありました。ロシア系の百貨店はこんなものでしょう。

着ぐるみの正体わかる/ロシア語・英語・韓国語・日本語でグローバルな世界に
 あまり見るものもなかったので、早々ブロードウェイに戻ることに。それにしても中心部は緑が多い。木陰もあり、炎天下を歩きっぱなしと言うこともない。通りのあちこちにジュースやアイスクリームを売る店が出ている。アイスクリームは75スム。
 通りを歩いていると男性が声をかけてきた。結構なれなれしい!彼は韓国語が少し話せるので、韓国人でないかと声をかけてきたみたいだ。ウズベク人だそうだが、韓国や日本にも仕事で行ったことがあるらしく、特に韓国には2ヶ月滞在したそうで、韓国語が少し話せる。そこからはロシア語・英語・韓国語・日本語でグローバルな会話??が始まった。と言ってもメインは英語です。彼もなぜかいいカメラを持っている。聞くとブロードウェイで写真撮影の仕事をしているとのこと。レストランのキャンペーンか何かで、観光客と着ぐるみの写真を撮り、発送するという仕事をしているそうだ。私の持っているカメラを見て「どことカメラだ」「いくらする」挙げ句の果てには「カメラを交換しよう」と言ってくる。冗談かと思っていたら、どうも本気だ。いくら上乗せするかとか、なぜダメなのか、私の方がいいカメラだとか、いろいろ言いがかりをつけてくる。なぜ交換したいのかこちらが聞きたいくらいだ。ちなみに彼のカメラはサムソン製でした。カメラの話は完全に無視して、ブロードウェイに向かって歩きます。通りの中央にあるレストランが仕事場らしく、そこに行くと仕事仲間が5、6人表れた。他の人たちはロシア語しかダメみたいで、会話は成り立たず。しばらくして彼の仕事仲間が着替えに向かった。待つこと5分。着ぐるみ登場。昨日も同じ場所で見かけたやつだ。正体がわかる。私も記念撮影をしてもらって別れることに。

ブロードウェイで
彼の仕事は写真を撮影し、住所まで送付すること
「おい!アンテナが歪んでるぞ」
「俺がなおしてやる」


国内線乗客2人です
 ホテルに戻り荷物を受け取りタシケントの空港へ向かいます。ホテルでタクシーを頼みましたが、ベルボーイが「10ドルでどうだ」と言ってくる。ベルボーイもぼったくりの一味か?結局4000スムで決着。
 昨日到着したときは気がつかなかったが、空港は国内線ターミナルと国際線ターミナルが別々の大きな建物に別れている。国内線は向かって左側のターミナル。到着便があったようだ、乗客が降りてくる。ただし、バスがターミナルビルに到着するのでなく、すぐ右側にある門に横付け。乗客はターミナルビルを通らずにそのまま門を通って外に出ていく。国際線の到着もそうだったが、こく国では到着と出発では対応にすごい差があるようだ。
 おそるおそる国内線の建物にはいる。建物自体は新しくとてもきれいだ。チェックインカウンターや売店もちゃんとある。ただ、お客さんは少ない。チケットをカバンから取り出し、カウンターに向かおうとしたとことで、逆にカウンターから「ミスター○○○」と声をかけられた。そこにはもう一人日本人女性がいた。なぜ自分のことがわかったのか不思議に思いながらもチェックインして荷物を預けた。カウンターには「19:00」とあったので、「出発時間の変更か」と聞くと「これはチェックインの時間だ」との返答。搭乗券を見てどうも座席番号が見あたらないので「シート番号はこれか」と聞くと、「百人乗りの飛行機には十分な乗客だ」との返答。結構フレンドリーな空港職員であった。搭乗時間までもう一人の日本人女性と待つことに。
 しかしいくら待っても出発ロビーはにぎわってこない。しばらくすると搭乗案内がありバスに乗り込んだ。乗客は私たち2人ともう一人男性がいるが、どうも航空関係者のようだ。とすると、乗客はたった2人!飛行機は旧ソ連製の100人乗りぐらいののも。これまた航空関係者が十数人乗り込んでいるが、席は当然ガラガラ。先ほどの「百人乗りの飛行機には十分な乗客だ」が、ここで理解できた。すごい国内線。どの路線もこんな状態ではないだろうが、こんな搭乗は初めて。でも一様ドリンクのサービスはありました。これ乗客がいなかったときにはどうするんでしょう。やっぱり飛ぶんでしょうか!?。

サマルカンドへ     
 サマルカンドへは飛行機で正味30分から40分。日本からウズベキ航空を予約すると国内線1往復が無料で付いてきます。ただしサマルカンドへは車でも十分に行くことができ、3時間半から4時間かかるそうです。
 19時30分の定刻の出発で離陸後35分ぐらいですでにサマルカンドに到着。もう日が暮れているので空港がどうなっているのかよくわかりません。タラップを降りた乗客2人は進められるまま、歩いてターミナルビルへ。しかし建物は電気が消え、しかも入り口の鍵もかかっている。とんでもないところへ来てしまったものだ。しばらくすると中から職員がでてきた。狭い通路のようなところを通り、建物の外に放り出される。出迎えの人たちであろうか!と言っても乗客は私たち2人。おそらく他の到着便があるのだろう。そしてタクシーの運ちゃんも乗客にあわせて2人。何か仕組まれているみたいだ。小さな出口の階段で荷物を待つ。こんなのであれば預ける必要もなかった。しばらくして荷物が到着。タクシーの運ちゃんは2人が同行者と思い荷物を1台のタクシーに載せようとするが、「別々だ」といって行き先が違うことを説明。早速タクシーに乗り込んだがちゃっかりぼったくられました。
 サマルカンドの街は小さいと聞いてましたが、広いと通りに車も結構走っています。サマルカンドホテルのある中心部までまで車で15分ぐらいです。

サマルカンドホテル  
 夜8時ごろホテル到着、チェックイン。やはりここでも外国人登録が必要なみたいです。建物は10階建てぐらいの大きなホテルですが。設備はかなりくたびれています。チェックインはフロントでするものの、部屋のキーは各階にいるデジュールヤナというおばさんから受け取ります。外出の時などキーを預けるときも彼女に渡します。その他ちょっとした用なら彼女に頼むことができるみたいです。部屋はツイン。シャワー・トイレ・テレビがあるくらいで、エアコン・冷蔵庫・電話はありません。ただ、見晴らしのよいところに建っているので隣にある「グリ・アミール廊」やレギスタン広場の建物を眺めることができました。
 明日に備えこの日は早めの就寝。

サマルカンドホテル
設備は少々くたびれている
ホテルからの夜景

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